野菜や魚と同じように、日本酒にも「旬」があります。秋になると居酒屋や酒屋で「ひやおろし」の文字をよく見かけるのは、そのためです。

日本酒は、冬に造られる

日本酒の多くは、秋に収穫した新米を使って、秋から春にかけて造られます。気温が低いと雑菌が増えにくく、発酵もゆっくり進むので、きれいなお酒になりやすいからです。

冬に造ったお酒は、すぐに出荷されるものもあれば、蔵で寝かせてから出荷されるものもあります。この「いつ出荷するか」の違いが、季節ごとのお酒を生み出しています。

冬に造って、出す時期で季節のお酒になる10月11月12月1月2月3月4月5月6月7月8月9月酒造り新米で仕込む(寒い時期に造る)蔵で寝かせて夏を越す冬〜春新酒・しぼりたて ピチピチ若々しい春春酒 華やか夏夏酒 すっきり軽い秋← ひやおろし・秋あがり(9〜11月) まろやか時期は一般的な目安です。蔵や商品によって前後します。

もうひとつのカギが「火入れ」です。火入れは、お酒を加熱して味を安定させる工程。ふつうは、寝かせる前と瓶詰めの前の2回行います。何回火入れするかで、味のフレッシュさが変わります。

火入れ(加熱)の回数とタイミングで、味のフレッシュさが変わる搾る貯蔵瓶詰め出荷貯蔵の前瓶詰めの前ふつうの日本酒火入れ2回。味が安定ひやおろし貯蔵前の1回だけ。秋に出荷生貯蔵酒出荷前の1回だけ生酒火入れなし。いちばんフレッシュ火入れするしない

季節ごとのお酒

時期は蔵や商品によって前後します。ここでは一般的な目安を紹介します。

冬〜春:新酒・しぼりたて

しぼったばかりのお酒です。10月ごろから出回りはじめ、年明けからが本番。火入れをしていない生酒も多く、ピチピチとした若々しい味わいが特徴です。うっすらにごった「うすにごり」もこの時期によく見かけます。

春:春酒

桜の季節に合わせた、華やかで軽やかなお酒。桃色のラベルなど、見た目も春らしいものが多く並びます。

夏:夏酒

冷やしてごくごく飲めるように、すっきりと軽い味わいに仕上げたお酒です。アルコール分を低めにしたものもあります。青や水色の涼しげな瓶が目印です。

秋:ひやおろし・秋あがり

冬に造って一度だけ火入れし、夏のあいだ蔵で寝かせたお酒を、二度目の火入れをせずに秋に出荷したものです。9月ごろから出回ります。

ひやおろしができるまで冬仕込む・搾る新米で造る寒い時期に春1回目の火入れ加熱してタンクで貯蔵夏蔵で寝かせるひんやりした蔵で夏を越す秋出荷2回目の火入れなしまろやかに※時期は一般的な目安です。蔵によって前後します。

「ひや」は寝かせた蔵のひんやりした温度を、「おろし」は大きな桶から小さな容器に移すことを表すといわれます。夏を越して角が取れ、まろやかでうまみのある味わいになるのが魅力です。秋に味が乗ってくることから、「秋あがり」とも呼ばれます。

季節酒の見つけ方と楽しみ方

  • ラベルや後で貼られたシールを見る:「ひやおろし」「しぼりたて」「夏酒」など、季節の言葉が書かれています。
  • お店の「今だけ」「入荷しました」を聞く:季節酒は数に限りがあり、その時期にしか飲めないものが多いです。
  • 同じ銘柄で飲み比べる:同じ蔵のしぼりたてとひやおろしを飲み比べると、「寝かせると味がこう変わる」がよくわかります。
  • 季節の料理と合わせる:ひやおろしなら秋刀魚やきのこ、夏酒なら冷奴や枝豆など。旬のもの同士はよく合います。

生酒の新酒は、味が変わりやすいので冷蔵庫で保存し、開けたら早めに飲みきりましょう。

まとめ

  • 日本酒は冬に造られ、いつ出荷するかで季節のお酒が生まれる
  • 冬〜春は新酒・しぼりたて、春は春酒、夏は夏酒、秋はひやおろし
  • ひやおろしは、火入れを1回だけにして夏を越した、まろやかな秋のお酒

季節の一杯を、記録に残そう

季節酒は、その時期を逃すと来年まで飲めないこともあります。SAKE LOGに記録しておけば、「去年の秋に飲んだあのひやおろし」を、来年また探すときの手がかりになります。

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5枚でおさらい

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  1. 01/05日本酒にも旬がある冬に造ったお酒を、いつ出すかで季節のお酒が生まれます。
  2. 02/05冬〜春:新酒・しぼりたてしぼったばかりの若々しいお酒。生酒も多い季節です。
  3. 03/05春は春酒、夏は夏酒春は華やかに、夏はすっきり軽く。ラベルも季節らしくなります。
  4. 04/05秋:ひやおろし火入れを1回だけにして夏を越した、まろやかな秋のお酒です。
  5. 05/05季節酒は一期一会その季節にしか飲めないことも。SAKE LOGに記録して来年の手がかりに。